友達からユニクロコラボの歌仙Tシャツをもらったのがうれしすぎてうちの本丸の審神者にもとどけてみた。
明石国行&女審神者
苦手な方は注意
明石国行&女審神者
苦手な方は注意
さにわ「歌仙見てみて!これ!!」
歌仙「それは、僕のコラボTシャツじゃないか」
さにわ「友だちが送ってくれたの!むちゃくちゃかわいいでしょ?」
歌仙「本物の僕より近いところに僕がいるな」
さにわ「歌仙が懐刀になったみたい」
歌仙「しっかりお守りするよ」
さにわ「頼りにしてる」
~遠征中~
明石「……!」
愛染「な、なんだよ国之、びっくりするだろ、突然止まるなよ」
明石「なんや、主はんところで自分に不都合な事が起こっとる気配がする」
愛染「さすがに気持ち悪いわ」
遠征から帰ってきた明石が、審神者の姿を見て眉をひそめた。「なんですの、それ」紫色の大き目のTシャツ。Tシャツには珍しく胸ポケットが付いていて、そこに何か入っている。「お帰り、明石。政府が広報活動に発売してる歌仙Tシャツだよ。かわいいでしょ」ほら、と胸ポケットから取り出したのは可愛くデフォルメされた、歌仙兼定がプリントされた厚紙だった。「これもついてるの、たまんないよね」自慢げに見せびらかし、再び胸ポケットにそれをしまいこむ。「ええ趣味やないですか、本物もっとんのに」「それはそれ、これはこれ」胸ポケットに収まった歌仙の頭を人差し指で撫でる。ポケットの中の歌仙の笑顔が、どこか得意げに見えてむっとした。
「そういうモンなんですかねぇ」
紙人形などにむっとしてしまった己を悟られないよう笑顔を浮かべてみせた。
「そんなことより腹へりましたわ」
「今日の料理当番は歌仙だから、きっとごちそうよ」
「・・・近侍も歌仙はんやなかったですか」
「明石、近侍が誰かはよく覚えてるよね」
「報告相手くらい誰でも把握しぃます」
「料理当番は歌仙の趣味みたいなものだからいいのよ、ほら、行こ」
審神者が食堂へつま先を向けた。
「こんな時間なのにまだ食べてへんの」
「蛍と愛染が四人で食べたいっていうから」
嬉しそうに答える後姿は、今にもスキップを始めそうだ。
自分も随分な蛍丸贔屓だが、この主も蛍丸に目が無いから、蛍丸から誘われるとすぐにわかる。分かりやすく浮かれてくれる。
変な気ぃつかわしてしもたかな、心の中でぼやいたつもりが、口から零れてしまったらしいことに、審神者が振り返って聞き返してから気がついた。
「どうしました?」
とぼけて肩をすくめると、
「何か言ったでしょ?」
審神者もまねして肩をすくめる。
その仕草に不覚にも心臓がはねた。しかし肩をすくめた彼女の胸で、彼女の動きに合わせてひょこりと動いた歌仙が目に入り、再び冷静になった。
「空耳です」
「そうかなぁ」
納得いかないらしい審神者が、再び人差し指で胸元の歌仙を撫でた。彼女の癖だ。指輪でもネックレスでも時計でも、装飾的なものを身につけると、無意識にそれで手混ぜする。
「蛍も国俊もまっとんのでしょ、はよ行きませんか」
そういうとようやく彼女は関心を変えて、再び食堂へ歩き始めた。
食堂が近づくと、蛍丸と愛染が会話する声と、審神者の言うとおり、家庭料理形のごちそうだろうことが予感されるいい香が漂ってきた。
疲れて空腹の腹の中で虫が鳴いた。
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