石切丸×大きい今剣妄想。
今剣の中に、普段の今剣(公式の今剣)と大きい今剣(にょんのねつ造)が両方いるっていうねつ造
何でも許せる人向け
今剣の中に、普段の今剣(公式の今剣)と大きい今剣(にょんのねつ造)が両方いるっていうねつ造
何でも許せる人向け
今宵は杯を二人分並べての月見酒だった。
青白い月が闇夜にぽっかりと浮かんで何とも見事である。
既に相当な量の酒を交わして、話題も尽きてきた。
ちらりと隣を盗み見れば、幼い体の、私服でむき出しの肩がすっかり赤く染まっている。
月光を浴びてつるりとなまめかしい肌に思わず手が伸びた。
指先が触れた肩は思いの外冷たい。
「やっぱり寒いんじゃないか。」
肩を手のひらで包むように抱いて、体を寄せる。今剣の赤い瞳が、近寄ってきた体温に呼ばれたように顔を石切丸へ向けた。
酔いが回ってか、白い頬に紅が差して愛らしさが増していた。
身長の差の分、見上げる形の今剣の額に額を合わせると、鼻先が触れた。
冷たい。
そのまま赤い瞳をのぞき込むと、ものもいわずに瞼がおろされたから、彼の細い顎を掴んで唇を寄せた。
が、
「よせ」
つい今し方まで脱力していた今剣の細腕が石切丸の胸板を強く押した。驚いて動きを止める。
「どうして?」
囁いた言葉が吐息となって、今剣の唇をくすぐる。
甘い酒のにおいがふわりと漂った。
「この体は私だけのものではない。離れてくれ。」
もう一度、軽く石切丸の胸を押す。
わかっていた。彼の器のこのおさない体は、普段天真爛漫に本丸内をかけまわる幼い彼のものでもあるのだ。
吐息が届かない程度に顔を離した。
「僕に飽きた?」
「訊くな。」
普段の今剣の幼い表情とはかけ離れた、なんとも形容しがたい微笑みを浮かべ、答えた。
石切丸は肩から手を離すと、先ほどまで手のひらで暖めていた肩の丸みに、ふれる程度の口づけを落とす。
小さく華奢な肩がはねた。
「これで我慢するよ。」
今剣は視線を逸らして、杯に再び酒を注いだ。腕をのばして、杯の真ん中に月を浮かべる。
ひらりとそこへ桜の花びらが一枚落ちた。落ちた花びらごと酒をあおる。
「月が甘いな」
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