※明石国行×女審神者(創作)です
※二人はまだ付き合ってません。
※うちの明石はヘタレです。
※ほとんど今剣のターン
なぜなら~~わたしが~すきだから~~~かいたの~~~!!!!!って感じです。
※二人はまだ付き合ってません。
※うちの明石はヘタレです。
※ほとんど今剣のターン
なぜなら~~わたしが~すきだから~~~かいたの~~~!!!!!って感じです。
今剣が馬当番から自室へ戻っていると中だった。
三条の太刀が納められている部屋の扉が開いていた。
今日三条の者たちは自分以外遠征やら買出しやらで留守にしているはずだ。
足音を潜ませて覗き込むと、そこには審神者の姿があった。
彼女の手には、抜き身の今剣の本体が恭しく握られている。
「あるじさま ぼくのほんたいをそんなにまじまじみつめてどうしたんですか」
彼女が少しは驚くかと期待したが、今剣の気配は察していたようだった。
にやにやと笑いながら、楽しげに短刀の刀身を眺めている。
「ん~、ほら、ちゃんと綺麗に研がれてて艶やかじゃかい」
明りに翳した刀身が、光を反射して艶めく。
刀として、己の体がつややかに、触れれば切れるだろう切っ先を保っていることは、幸せだと思った。
馬当番で疲れていたからだから、すっかり疲労が抜けたような気がする。
頬の筋肉が緩むのを止められない。
「へへへ~ あるじさまのおかげですよ」
審神者のとなりにちょんと正座して、一緒に本体を眺める。
隣に座った小柄な今剣の視界にも無理なく入るように、膝の上へ短刀を移動させた。
相変わらず抜き身の刀身を目を細めて眺めながら、
「こんなにつやつやしてると美味しそうで、つい食べてみたく…」
「や、やめてください!」
うっとりと呟いた審神者の言葉が冗談に聞こえず、今剣は思わず身を乗り出した。
今剣のすばやい動きに、審神者が楽しげに笑う。
「やだなあ、ほんとに食べたりしないよ、ちょっとだけ口に入れてみるだけ」
主の膝の上の担当を奪う。
飛びのいた。
こんなにも彼女から離れなければと思ったのは初めてだ。
全身から変な汗が噴き出してくる。
「だめです!!なにいってるんですか!!あぶないうえにいたみます!!」
「え~、ちょっとだけ、さきっぽだけ」
審神者は口の前で両手を合わせて、いつに無くかわいらしい仕草でね、と首をかしげる。
譲ってはダメだ、今剣は素早く鞘をつかむと、本体を鞘に収めた。
「だめなものはだめです!!」
「大丈夫、そのあとちゃんと手入れするから」
「なんでもくちにいれたがるこどもですか!」
鞘に収めた本体を、内番服の胸元に押し隠して服の上から間違っても落さないように抱き込んだ。
次の瞬間、今剣の背後で、廊下に繋がる障子が猛烈な勢いで開いた。
入ってきた人物のまとう気配には怒りが滲んでいる。
振り返らずともわかる。審神者に人一倍熱を上げている、あの男だ。
普段はてこでも動かないくせに、彼女が絡むと異様にフットワークが軽い。
「なんやなんや、何を主はんの口に入れるって?」
彼の地獄耳は、妙なところだけ聞き取っていたようだ。
今剣と審神者の間に立って、二人を交互に見る。
「なにしっとむきだしにしてるんですか!ぼくのほんたいですよ!あかしもとめてください!」
明石の強い怒気にもひるまず、睨みつけて叫ぶ今剣の言葉に、明石があきれたように審神者を見た。
「そりゃほんまにあかんやないですか。なにやっとんのですか」
「え、じゃあ明石の本体でもいい」
しれっと明石に差し出せといわんばかりに手を伸ばす審神者。
さすがの明石も表情を引きつらせて首を振った。
「堪忍してください…」
審神者が残念そうに肩を落とした。
己の本体を大事に抱えた今剣は、軽々と跳躍して、明石の背中にドロップキックをかました。
前触れ無く背中に強烈な衝撃をうけた明石は、よろめいて審神者の上に転んだ。
二人で悲鳴を上げて倒れる。
何を、と明石が顔を上げると、今剣は既に廊下に出ようとしてるところだった。
「なにをいってるんですか!このへたれ!もっといいものをくわえさせてやりますといっておしたおすんです」
「ちょぉ、なに言うとんのや!今はそういう話と違うやろ!」
「しりませんよ~!あとはまかせました!」
今剣の軽い足音が、たちまち遠ざかって消えていった。
あっけに取られていた明石の肩を、審神者が持ち上げるように押している。
「あ、主はん、すんません、わざとじゃ・・・」
「いい、いいから・・・!」
審神者は明石の肩を両手でおして、体を離そうとしていた。
うつむき加減の彼女は、髪で隠れていても、首元から耳の先まで真っ赤に染まっているのが分かる。
つられて明石もかっと肌を朱色に染めた。
「明石、重たい」
「えろぉすんまへん、もうちょっと」
「な、なによそれ・・・」
「刀よりええもん、あげますから」
「ばっ、馬鹿なこと言わな・・・んっ」
真っ赤な顔を上げて叫ぼうとした審神者の口に、明石は棒付きキャンディーを差し込んだ。
突然口の中に広がった甘い味に目を白黒させる審神者の背中を支え、落ち着いた姿勢で据わりなおさせてやる。
そこまでして漸く体を離した。
二人して顔は真っ赤だ。
「血ぃばっかり吸ぅた刀身なんかより、うまいと思いますよ」
「・・・・・・ありがとう」
何か言いたげに明石を見た審神者だったが、それだけ言うと黙って飴をなめ始めたのだった。
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