初々しくセッセセする牛虎を書きたかった。
続きは近いうちに書きます。多分。
まだR18じゃない。
続きは近いうちに書きます。多分。
まだR18じゃない。
初めて訪れた牛尾の部屋は、想像していたよりもずっとシンプルだった。
もっとごてごてと息苦しいぐらいに上等の家具で満たされているものだと思っていた。
モノトーンで統一された部屋、横たわったベッドは意外にも、虎鉄が一人暮らしを始めたアパートに置いているベッドと質はそう変わらないように感じられた。
キレイに皺が伸ばされたシーツのはりから、部屋の家主の性格がにじみ出ているようだ。
仰向けに体を横たえた虎鉄に、牛尾の顔が近づいてくる。
虎鉄は思わず手を伸ばし、牛尾の体を押した。
「な、なんでですかNe」
牛尾との付き合いは短くない。
高校の部活動の先輩と後輩で始まって、やがて恋人というものになった。
虎鉄の描く理想の青春像では、隣にいるのはこんなに背が高く、肩幅が広く、凛々しい青年ではなく、眼鏡をかけて地味な見た目をしているけれどよく見ると飛び切り可愛い、はにかむように笑う女の子のはずだった。
それがどうだ、気がついたら最後まで隣にいたのは牛尾だった。
初めて手をつないだときも、初めてキスを交わしたときも、死ぬのではないかと思うほど心臓がなっていたが、今日は一段と。
大学に進学した牛尾は一人暮らしを始めた。
高校を卒業した虎鉄が、慌しい新生活を一月乗り越えてやってきたゴールデンウィークに遊びに来ないかと誘われた。
一人暮らしの恋人の部屋に一人で訪れるのだから、期待と予感は感じていたが、それでもこうして体を投げ出してしまうと、身体の芯が震えるようだ。
一度今までに無く長いキスを交わし、二人の体温が上がった直後、思わずこういうときは先にシャワーを浴びるものですYoと誤魔化して、風呂場に逃げた。
もうその手は使えない。
普段しないドライヤーまで丁寧にかけて、シーツに乗った髪の毛はさらさらに乾いている。
虎鉄の何で、の問いに牛尾は困ったように眉根を下げた。
「好きな人とセックスするのに理由がいるのかい?」
腹の奥のところを破裂しそうなほどの衝撃が襲った。
一度、虎鉄から視線を外した牛尾が、それとも、と呟いた声はかすかに震えているようにも聞こえる。
「それとも、君は僕のことが、本当は好きじゃないとか?」
「んなわけないじゃないですKa!」
思わず起き上がった。勢いが強すぎて覆いかぶさっていた牛尾と額がぶつかった。
思いがけない痛みに二人とも一瞬無言で頭を抱えた。
虎鉄が先に顔を上げ、牛尾の胸ぐらをつかんで引き寄せた。
歯があたりそうなほど勢い任せに唇にかみつく。
「大好きですYo。セックス、しようZe」
初めてのとき以上に、牛尾への好意を自覚したばかりのころ以上に、5秒後に死ぬのではないかと思うほどに心臓が痛かった。
目の前で牛尾の顔が赤く染まっていく。
牛尾が虎鉄を抱きしめて、再びゆっくりベッドに押し倒した。
「痛くしたらごめんね」
そう言って、虎鉄の返事を待たずにキスを落す。
まるで初めてのようなキスを何度か繰り返して、熱い舌先が口内に入ってくるのを受け入れながら、俺が抱かれる側か、とぼんやり思った。
同時に、腹のそこから言いようの無い不安が込み上げてきた。
目を閉じて、彼の熱だけを求めながら忘れたふりをした。
牛尾の手が服の上から細身の体を撫でる。
「脱いだ方がいいですKa?」
照れくささを誤魔化すように聞くと、牛尾の顔が赤く染まった。
「脱がせても、いいかな?」
「好きにしてくだSaい」
「ありがとう」
「なんですかそRe」
牛尾の大きな手が、虎鉄の着ている前開きのシャツのボタンにかかる。
シャワーを浴びた後、借りたシャツだ。
牛尾のにおいがするシャツを、めんどくさいけど彼らしいなと思いながら下から順に一つずつとめたボタン。
それを今度は牛尾が上から順に一つずつ外していく。
指と、ボタンと、シャツの少し固い布がこすれあう音が二人を包む温度の高い沈黙の中で響いていた。
二人の肌が離れると、忘れたふりをしたものが再び胸の奥のほうから染みるように広がった。
肌が離れている時間がすぎるほどにそれは心を染めていく。
ボタンが外れ、肌が外気に触れると、それがはじけた。
三つ目のボタンに手がかかると、思わず虎鉄は牛尾の手を両手でつかんだ。
「虎鉄君?」
一瞬だったはずなのに、彼の声を久しぶりに聞いた気がする。
「どうしたの?やっぱり脱がせられるの、いや?」
牛尾が虎鉄の服のボタンにかけた手の力を緩めた。
「牛尾さん、これ、外したら見えちゃいますYo」
「見えるって、そのために外してるんだけど・・・」
「俺、男だから、胸無いでSu。それなりに筋肉ついてまSu。やっぱり見ないほうがいいんじゃ・・・」
「虎鉄君、放して。」
その声の、有無を言わさない調子に思わず口を閉ざした。
言われたとおりに牛尾の手を放すと、牛尾は体を起して自分の服に手をかけた。
上のボタンを一つだけ外すと、彼らしくも無く裾をつかみ引き上げ、頭から脱いだ。
白いと思っていた彼の肌は、野球の練習着の形にくっきりと日焼けしていた。
日に焼けたチームメイトの中にいると相対的に白く見えるが、彼もちゃんと焼けているのだ。
日々鍛えられている体は惚れ惚れするほどくっきりと、野球をするための筋肉が付いていた。
「虎鉄君、僕は女の子じゃないから胸、ないし、筋肉だってそれなりについてる。やっぱり見ないほうがよかった?」
虎鉄が首を左右に振った。
シャツのボタンを握り締めた虎鉄の両手を握り、そっと左右に広げる。
「見せて」
虎鉄の手は容易く解けた。
ボタンの外れていた箇所から覗く肌にキスをした。
すると頭の方から嗚咽が聞こえた。
驚いて顔をあげると、虎鉄がぼろぼろと、声を殺して涙を流していた。
「ごめん、虎鉄君、ごめん、大丈夫?」
慌てて体を離した牛尾に、虎鉄は首を左右に振る。
「ちが、うしお、さん、はなさないDe・・・」
牛尾の首に腕を絡めて、少しだけ離れた距離をつめた。
裸の牛尾の肩に顔を押し付ける。
「怖かったんDa、俺の体を見たら、牛尾さん、勃たないんじゃないかと思ってTa」
牛尾は布団と虎鉄の間に手を差し込んで、強く抱いた。
少しためらって、虎鉄の足の間に己の足を挟み、下半身を押し付けた。
既に熱を孕んでいるそこがつぶれて少々苦しい。
無言で押し付けられた熱に、虎鉄が小さく笑った。
首に絡まった腕から力が抜ける。
それに任せて虎鉄の顔を覗き込むと、泣いて少し赤くなった目のまま、安堵したように笑っていた。
「すみません、セックスしまSyoう」
二度目の台詞に、つられるように顔が緩んだ。
外しかけのボタンをはずし、愛しい人の腕からシャツを外した。
裸の肌と裸の肌が熱を交し合って、触れ合った場所から火が灯ったように熱かった。
男女のそれを真似て、胸をゆっくり撫でてみる。
手のひらで乳首を軽くつぶすように撫でる。
虎鉄の身体の中で心臓が強く脈打っているのが手のひらから聞こえてきた。
「これ、どう?」
「よく、わかんないですけDo、アンタに触られてることに興奮してまSu」
手を離すと、刺激で乳首が赤く立ち上がっていた。
それを唇で挟んで優しく吸い上げると、虎鉄の体が小さく震えた。
「ちょ、待って、嘘だRo?」
もう一度、先ほどより強めに吸うと、今度は甘い声が漏れた。
吸っては食む。
反応を見ながら舌でつぶすように舐めあげると、頭をつかまれた。
「いいかげん、そこばっかり、しつKoいっ」
赤く上気した顔、先ほどの涙とはまた別の、熱に浮かされて濡れた瞳に叱られて、背筋を何かがぞわりと這い上がった。
それをどうにか、肌を隔てて混ざり合えない彼に伝えたくて、虎鉄の背筋をじっとりと撫でた。
うなじから背中へ、腰へ、そして尾骶骨をすぎてたどり着いた菊門へ、軽く指を当てる。
「うわ、まじかYo、ほんといやんのKa」
「ほんとにやるんだよ。ここまできて、やめろって言われても聞けないから。」
用意しておいた潤滑剤を指と手のひらにたっぷりとると、固く閉ざされた入口に侵入した。
「大丈夫?」
「すっげ違和感ですけDo、大丈夫でSu」
「無理って言われたら、努力するから一応言って」
熱い内壁を押し広げるように動かす。
潤滑剤を足しながら、奥へ奥へと広げていく。
中の抵抗が緩んできたところで、指を増やした。
探る指先が、違和感のある場所を探り当てる。
そこを刺激すると、
「っ!んぁ・・・!」
虎鉄の体が丸まるようにはねて、中は指を更に奥へ導くように強くしまった。
「ちょ、今の、な、なNi」
己の反応に驚きを隠せないようだが、
「よかった、みつけた」
牛尾は更にそこを刺激した。
「あ・・・・N、んっ」
甘い声を懸命に飲み込みながら、強すぎる刺激を逃すように体をよじる。
彼のペニスも、中を刺激されるたび熱量を増して、透明な体液を零し始めた。
「ごめん、じゃあ、もういいかな」
膝の裏に手をいれ、ぐいと広げた。
痛いほどに膨れ上がった劣情を熱く溶けた秘部にあてがう。
そうしてまざまざと現れたその質量に、虎鉄が顔を引きつらせた。
「ほんとに入るんですかNe」
「どうだろう、痛かったらごめんね」
牛尾の額に浮かんだ汗が、頬を伝って顎から落ちた。
「あ、あっ・・・ん、うぅっ・・・」
牛尾の下で、虎鉄が苦しそうに声を零す。
「虎鉄君、ちから、抜いて、痛い」
「無理、俺も、いたっん」
首を振る虎鉄の気をそらそうと、彼のペニスを握った。
先端に零れる体液を塗りこむように刺激すると、苦痛を訴えていた声が少しずつ変わっていく。
先端から根元へ指を動かし、下から上へしごいた。
「あっ、あぁ・・・」
少し力が抜けて緩んだ体に、更に熱を沈めていく。
「んん・・・んぁっ」
強い圧迫感と同時に与えられる快感に、虎鉄の目から涙が零れた。
「いみ、わかんね・・・あっ・・・うぅ・・・」
「ごめん、もう少し」
「は、やく、してくだSaいっ」
涙をためた目で訴えられて、牛尾はたまらず両手で細い腰をつかんだ。
そうして、様子を見ながら少しずつ勧めていたものを、強く押さえ込んだ腰に一気に押し込む。
「ひっ、ああぁあ・・・!」
抉られようなその衝撃に、たまらず首をそらせた。
牛尾は体を密着させ、苦しげにあえぐ虎鉄の唇に、軽くキスを落とした。
「入ったよ」
呼吸だけをなんとか繰り返していた虎鉄が、牛尾の腹に手を当てた。
その手を下へと辿り、二人が繋がった場所に触れた。
「入り、ましたNe」
ふにゃりと緩んだ顔に劣情を抑えきれず腰を振った。
先ほど指先で何度も確かめた場所を掠めるたび、悲鳴とも嬌声ともつかない声が溢れる。
シーツを握り締めた手に指を絡めて握ると、強く握り返された。
「大丈夫、かい?」
「だ、じょうぶじゃ、ない、でSu」
首を左右に振られて、牛尾は一度腰を止めた。
しかし熱く牛尾を包む虎鉄の熱に浮かされて、それ以上は無理だった。
「ごめん、僕も、ダメだ」
虎鉄の手が、もう一度牛尾の手を握り返した。
「牛尾さん、大好きですYo」
その言葉に虎鉄の熱におぼれていた花芯が更に膨れた。
僕も、と返すと、後は夢中で腰を振った。
熱と熱が、肌と肌がぶつかり合って、二人分の声と荒い呼吸。
先に虎鉄が白濁した熱を吐き出して、その瞬間により強く飲み込まれた牛尾が、彼の中に劣情を吐き出した。
脱力して重なり合った二人は、汗で濡れた肌を合わせたまま、荒い呼吸を繰り返した。
やがて呼吸が落ち着いて、訪れた静寂の中でお互いの心臓の音だけが聞こえる。
「牛尾、さん」
「ん・・・」
「俺、人の肌がこんなに心地いいって知りませんでしTa」
「僕も」
顔を見合わせて笑いあう。
疲労困憊の体で、うまく笑えただろうか、自信はなかった。
終わる。
えろってどうやって終わっていいのかわからない。
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